スタッフ2026.03.24執筆:株式会社IROHA HOME

営業より:物件の希望より先に、総予算を整理する理由

中古マンションを探し始めると、最初に目へ入るのは物件価格です。立地、広さ、眺め、駅からの距離。気になる物件を見つけてから、「残りでどこまでリノベできるだろう」と考えたくなります。

でも、購入とリノベーションを一緒に進めるなら、物件の希望を細かく決める前に、住まい全体へ使える総予算を一度整理しておくと判断しやすくなります。

予算を先に聞くのは、希望を削るためではありません。物件へ使いすぎて工事を諦めたり、工事を詰め込んで入居後の暮らしが苦しくなったりしないように、守りたい希望へ先に場所をつくるためです。

「借りられる額」と「払っていける額」は別です

住宅金融支援機構の資料は、住宅ローンについて、金融機関から「借りられる金額」と、安心して「返すことができる金額」は異なると説明しています。返済計画ではローン返済だけでなく、住宅の取得・維持にかかる税や諸費用、教育・老後へ向けた貯蓄なども考える必要があるとしています。

政府広報オンラインも、住宅ローンの仕組みを知り、自分に無理のない返済計画を立てることが大切だと案内しています。

金融機関の審査で示される借入可能額は、大切な判断材料です。ただし、それがそのまま「毎月安心して払える上限」になるとは限りません。家族構成、働き方、教育費、車、これから残しておきたい貯蓄は家庭ごとに違います。

住宅ローンの審査項目や金利の考え方は住宅ローンの基本と審査で確認できます。ここで決めたいのは、審査に通る最大額ではなく、暮らしを続けながら払いたい月額です。

総予算は、四つの箱に分けます

中古マンション+リノベの予算は、一つの大きな金額のままだと配分が見えません。まず、次の四つに分けます。

入れるもの
物件中古マンションの購入価格
購入に伴う費用仲介、登記、ローン、保険など、条件ごとに発生する諸費用
リノベーション設計、施工、設備、必要な調査などの工事関連費
入居後に残す余白引越し、家具・家電、当面の生活費、予定外へ備える現金

物件・工事・諸費用を一つの表で見る方法は中古+リノベの総額シミュレーション、購入時に発生する費用は中古マンション購入の諸費用にまとめています。

四つ目の「残す余白」は、余ったら確保するお金ではありません。残したい金額を先に分けてから、物件と工事へ配分します。残す額に一律の正解はないので、世帯の予定と不安に合わせて決めます。

月々の住居費も、ローンだけで見ない

マンションでは、購入後も管理費や修繕積立金などの支払いが続きます。固定資産税や保険、駐車場を使うならその費用も、支払う時期は違っても住まいの維持に関わります。

そのため、月々の希望額を考えるときは「住宅ローンはいくらまで」だけでなく、継続する費用を横に並べます。具体的な確認方法は中古マンションの月々の支払いで整理しています。

物件価格が少し安くても、毎月の管理費・修繕積立金を含めると希望額を超えることがあります。反対に、物件価格だけでは高く見えても、工事範囲の優先順位を整理すると総予算内で検討できる場合があります。一項目の安さではなく、全体と毎月の両方で比べることが必要です。

候補を二つ比べるときは、物件価格だけを横に並べず、「購入時に必要な現金」「工事に残せる額」「入居後の月額」まで同じ行に置きます。まだ分からない金額は、安い方へ決め打ちせず「要確認」と書いておきます。未確認が多い物件ほど悪いのではなく、申込み前に確かめる項目が多い物件だと分かるだけでも、比較は前へ進みます。

総予算の表は、一度作って終わりではありません。管理規約、現地調査、ローン条件、工事見積が分かるたびに更新します。最初の数字を正解にするより、変わった理由を追える表にしておく方が、物件と工事の配分を落ち着いて見直せます。

希望は「削る」前に、順番をつけます

予算を整理したあと、希望を三つに分けてみてください。

  1. 暮らしに必要で、外したくないもの
  2. できれば今回かなえたいもの
  3. 入居後でも追加・交換できるもの

たとえば間取りや配管、断熱のように、あとから手を入れると周囲まで工事が必要になりやすい項目があります。一方、置き家具や一部の照明・小物は、入居後に選べることがあります。何をどこへ分類するかは、物件の構造と工事内容によって変わります。

ここで先に「高いから削る」と決めません。見積を取ったうえで、今回施工する理由と、後へ回した場合の影響を比べます。リノベ費用の内訳は中古マンションリノベの費用相場と内訳も参考にしてください。

最初の相談に持ってきてほしい四つ

総予算を整理するとき、細かな家計簿を最初から完成させる必要はありません。まずは次の四つがあれば、確認を始められます。

  • 気になっている物件のURL
  • 住まいに使う自己資金の範囲
  • ローン以外の住居費も含め、無理なく払いたい月額
  • 今回の住まいで外したくない希望

分からない項目は「未確認」のままで構いません。物件、資金、工事の三つを同じ表へ置くと、次に調べる順番が見えます。融資額や税制の最終判断は金融機関、税務署・税理士などの確認が必要ですが、その前に相談材料を整理することはできます。

物件URLから、総予算の配分表を作ります

候補物件のURL、自己資金の範囲、無理なく払いたい月額、外したくない工事をお送りください。物件・購入諸費用・リノベ・入居後に残す余白を一枚に分け、「確認済み・要確認」を付けた総予算の配分表として一緒に整理します。

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