中古マンション購入+リノベの住宅ローン控除【2026年】|2つの判定を分ける
中古マンションを買ってリノベーションするとき、「物件代と工事代を一つのローンにすれば、全部が住宅ローン控除の対象になる」とは限りません。ローン商品のまとめ方と、税制上の対象判定は別です。
2026年の確認では、まず中古住宅を取得した場合の要件を見ます。次に、工事費について自己所有の住宅を増改築した場合の要件を見ます。国税庁も取得と増改築を別の項目で案内しているため、契約前に二つへ分けて確認するのが安全です。
先に数字を言うと、控除率は年末の対象ローン残高等の0.7%(国税庁・2026年入居)です。一般的な中古住宅は借入限度額2,000万円・控除期間10年で、1年当たりの計算上限は14万円(国税庁・2026年入居/試算:2,000万円×0.7%)。一定の省エネ性能がある中古住宅は、区分と世帯要件により借入限度額2,000万〜4,500万円、控除期間13年です(国税庁・2026年入居)。
ただし、これは受取額の約束ではありません。実際の控除額は、年末残高、取得対価または工事対価、住宅区分、納める所得税などで変わります。この記事では「最大いくら」よりも、何を契約前に確かめれば対象外を防げるかに重点を置きます。
住宅ローンの審査や返済計画は住宅ローンの基本と審査、物件・工事・諸費用の全体は中古+リノベの総額シミュレーションで確認できます。
2026年は「中古住宅」と「増改築」を分けて見る
国税庁の2026年向け案内を、購入+リノベの判断に合わせて並べると次のようになります。
| 判定ルート | 主な対象 | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 |
|---|---|---|---|---|
| 一般的な中古住宅の取得 | 省エネ区分に入らない中古住宅 | 2,000万円(国税庁) | 0.7% | 10年 |
| 省エネ基準適合の中古住宅 | 証明書等で性能を確認できる住宅 | 2,000万円、特例対象個人は3,000万円 | 0.7% | 13年 |
| 認定住宅・ZEH水準の中古住宅 | 証明書等で区分を確認できる住宅 | 3,500万円、特例対象個人は4,500万円 | 0.7% | 13年 |
| 自己所有住宅の一定の増改築 | 返済10年以上、対象工事費100万円超など | 2,000万円(国税庁) | 0.7% | 10年 |
※ 特例対象個人は、40歳未満で配偶者がいる人、配偶者が40歳未満の人、または19歳未満の扶養親族がいる人です(国税庁・2026年入居)。年齢等は入居年の12月31日時点で確認します。制度の最終判定は、税務署または税理士へ確認してください。
この表で大事なのは、中古なら全部同じではないことです。省エネ性能の区分を証明できるかで、借入限度額と控除期間が変わります。また、工事代を住宅ローンに含められても、その工事が税制上の「一定の増改築等」に該当し、証明書を準備できるかは別に確認します。
中古マンションの取得で確認する6項目
1. 建築日か耐震証明
中古住宅は、1982年1月1日以後に新築された住宅であること、または取得日前2年以内に耐震基準へ適合すると証明された住宅であることなどが要件です(国税庁)。古いマンションが一律に対象外なのではなく、建築日と証明の有無で分かれます。
旧耐震の候補では、売買契約後に考え始めると間に合わない手続きがあります。購入前に建築確認日、耐震診断、耐震改修、証明書の有無を確認してください。詳しい見方は旧耐震マンションを買う前の確認にまとめています。
2. 登記簿上の床面積
2026年入居では、床面積は原則50㎡以上(国税庁)です。40㎡以上50㎡未満でも、合計所得金額1,000万円以下なら対象になり得ます(国税庁)。広告の専有面積と登記面積が同じとは限らないため、販売図面の数字だけで決めず、登記事項証明書で確認します。
3. 入居までの期限
住宅取得後6か月以内に入居し、その後も居住することが要件です(国税庁)。工期が長引く計画では、売買契約日、引渡し日、工事完了日、入居日を一つの工程表にしてください。
リノベーションの期間と順序は相談から引渡しまでの流れで整理しています。
4. ローンの返済期間
民間金融機関などから借り、返済期間が10年以上で分割返済するローンが基本要件です(国税庁)。中古購入と工事費をまとめる場合は、金融機関へ次の3点を聞きます(確認項目数)。
- 年末残高証明書に物件取得分と工事分がどう表れるか
- 工事請負契約書と売買契約書のどちらを提出するか
- 融資実行日が売買と工事で分かれるか
5. 所得要件と他の特例
控除を受ける年の合計所得金額は2,000万円以下(国税庁)です。また、入居年の前後に自宅売却の3,000万円特別控除などを使う場合、住宅ローン控除と両立しないことがあります(国税庁)。買替えでは、売却側と購入側を別々に決めないでください。
6. 省エネ性能を証明する書類
認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅として上乗せを受けるには、住宅省エネルギー性能証明書や建設住宅性能評価書など、区分に応じた書類が必要です(国税庁)。「断熱リフォームをする予定」だけでは、取得時点の住宅区分を自動で証明したことにはなりません。
リノベ工事側は「100万円超」だけでは足りない
すでに所有する自宅を増改築するルートでは、国税庁が10項目の要件を案内しています(国税庁・2026年入居)。購入+リノベで特に見落としやすいのは次の点です。
- 自分が所有し、自分が住む家屋の増改築である
- 工事後6か月以内に入居する
- 返済期間10年以上のローンを使う
- 補助金を差し引いた対象工事費が100万円を超える
- 居住部分の工事費が総工事費の2分の1以上である
- 建築士等が発行する増改築等工事証明書などで対象工事を証明する
借入限度額は2,000万円、控除期間は10年、控除率は0.7%なので、年末残高が1,500万円なら計算上は年10万5,000円(1,500万円×0.7%)、2,000万円以上なら計算上限は年14万円(2,000万円×0.7%)です。
ここでも「工事費が100万円を超えたから対象」とは言い切れません。対象工事の種類、床面積、入居時期、所得、借入期間、証明書までそろって初めて判定できます。見積段階で工事会社へ、増改築等工事証明書を誰が発行できるか確認してください。
補助金を使う場合は、交付額を工事費から差し引いて判定します(国税庁)。補助金と減税の全体像は2026年のリフォーム補助金・減税もあわせて確認してください。
0.7%を3つの例で計算する
次の金額は、制度の比較用です。実際の控除額は年末残高、取得対価、納税額などで下がる場合があります。
| 例 | 年末残高 | 適用する限度額 | その年の計算額 |
|---|---|---|---|
| 一般的な中古住宅 | 2,500万円 | 2,000万円 | 14万円(2,000万円×0.7%) |
| 省エネ基準適合・特例対象個人 | 3,200万円 | 3,000万円 | 21万円(3,000万円×0.7%) |
| 認定住宅またはZEH水準・特例対象個人 | 4,500万円 | 4,500万円 | 31万5,000円(4,500万円×0.7%) |
一般的な中古住宅の例では、年末残高が2,500万円あっても計算に使う上限は2,000万円です。差額500万円に0.7%を掛けて追加できるわけではありません。
一方、省エネ区分の上乗せには証明書が必要です。候補物件がどの区分か分からないときは、最大額を資金計画へ入れず、0円または「未確認」としておく方が安全です。控除を前提に毎月返済額を上げるのではなく、控除がなくても払える月額から物件価格を決めます。
住宅ローン減税とリフォーム促進税制を二重に数えない
国土交通省は、リフォーム促進税制の所得税控除と住宅ローン減税(増改築)は併用不可と案内しています(国土交通省・2026年制度)。同じ工事について、両方の減税額を合算して予算へ入れてはいけません。
また、国や自治体の補助金を利用すると、住宅ローン控除の計算で取得対価や工事費から補助金等を差し引く場合があります(国税庁)。制度名を集めるより、次の順番で確認します。
- 住宅の取得としてどの区分か
- 工事が増改築ルートの対象か
- 補助金を差し引いた後の対象額はいくらか
- 併用できない税制がないか
- 申告に必要な証明書を誰がいつ出すか
契約前にそろえる9点チェックリスト
物件URLと見積書を前に、次の9点を一行ずつ確認します(確認項目数)。
- 建築年月日
- 耐震基準に関する証明の有無
- 登記簿上の床面積
- 住宅の省エネ区分と証明書
- 売買契約日・引渡し日・入居予定日
- ローンの返済期間と融資対象
- リノベ工事の対象区分と工事費
- 補助金の予定額
- 増改築等工事証明書の発行者
一つでも未確認なら、対象外と決めつける必要はありません。ただし、控除額を資金計画へ入れるのも待ちます。物件購入の申込み前なら、日程、証明書、ローンの組み方を変更できる余地があります。
参照した公式情報
この記事の制度要件と数値は、2026年8月31日に次の一次情報で確認しました。
税制は入居年、工事日、住宅区分、個人の状況で判定が変わります。申告時は最新の国税庁資料と個別条件を再確認してください。
よくある質問
Q. 中古マンションを買ってリノベすれば、住宅ローン控除を使えますか。
一定の要件を満たせば使える可能性があります。ただし、中古住宅の建築日または耐震証明、床面積、入居時期、所得、ローン期間を確認し、工事費については一定の増改築等に当たるか、証明書を出せるかを別に確認してください。
Q. 2026年の控除率はいくらですか。
年末の対象ローン残高等の0.7%です(国税庁)。一般的な中古住宅と増改築は借入限度額2,000万円、計算上の年上限14万円です。実際の控除額は年末残高、取得・工事対価、納税額などで変わります。
Q. 40㎡台の中古マンションも対象になりますか。
登記面積が40㎡以上50㎡未満で、合計所得金額1,000万円以下などの要件を満たせば対象になり得ます(国税庁・2026年入居)。広告面積ではなく登記事項証明書で確認してください。
Q. リノベ費用が100万円を超えれば必ず対象ですか。
いいえ。補助金を差し引いた工事費100万円超は要件の一つです。対象工事、自己所有・自己居住、床面積、6か月以内の入居、10年以上の借入、所得、増改築等工事証明書なども確認します。
Q. リフォーム促進税制と住宅ローン控除を両方使えますか。
国土交通省は、リフォーム促進税制の所得税控除と住宅ローン減税(増改築)は併用不可と案内しています(国土交通省)。どちらが当てはまるか、工事契約前に税務署・税理士と証明書を発行する側へ確認してください。
物件URLと見積書から、控除の確認表を作ります
検討中の物件URLとリノベーション見積書をお送りください。建築日、登記面積、耐震、省エネ区分、入居日、ローン期間、工事証明、補助金を「確認済み・要確認」に分けた表にして、申込み前に確認すべき順番を一緒に整理します。
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