現場から:養生は、仕上げる前の仕事です
リノベーションの写真では、完成した床や壁が主役になります。その前に現場で考えておきたいのが、工事で変える場所ではなく、残して使う場所をどう守るかです。
養生は、ただシートを敷く作業ではありません。どこから資材を入れ、どこを通り、何を解体し、何を残すかを工事前に読み直す作業です。完成後には外してしまうものだからこそ、計画の良し悪しが見えにくい仕事でもあります。
まず「残すもの」を図面に入れます
工事図面には、新しくつくる壁や設備が描かれます。養生を考えるときは、その図面へ残すものも加えます。
- 交換しない床や建具
- 既存の窓、玄関扉、収納
- 再利用する設備や部材
- 工事中も使う場所
- 資材と廃材が通る場所
工事範囲の外に見える場所でも、人や物が通れば現場の一部です。部屋の中だけを見ていると、玄関までの経路や一時的に材料を置く場所が抜けます。
解体する範囲を決めるときは、石綿事前調査の対象箇所ともつながります。材料を壊す・切る・穴を開ける場所の確認は中古マンションリノベのアスベスト事前調査で整理しています。
マンションでは、玄関の外も確認します
マンションの工事では、住戸の外にある共用廊下やエレベーターを通ります。国土交通省の標準管理委託契約書でも、玄関ホール、廊下、階段、エレベーターホールなどが管理対象となる共用部分の例として挙げられています。
ただし、国の標準規約や契約書はひな型です。実際にどこが共用部分で、どんな申請や保護が必要かは、そのマンションの管理規約と管理会社の案内で確認します。国土交通省のマンション管理・再生ポータルも、専有部分と共用部分の区分はまず各マンションの管理規約を確認するよう案内しています。
室内工事の承認や規約の見方はマンション管理規約でできる工事・できない工事もご覧ください。
養生範囲は、搬入と搬出から逆算します
現場へ入るものと、現場から出るものは同じではありません。長い材料、大きな設備、台車で運ぶ箱、解体後の廃材。それぞれで曲がり角や扉の通り方が変わります。
着工前には、次の順に一本の経路として見ます。
- 車両から荷物を降ろす場所
- 建物の入口
- エレベーターまたは階段
- 共用廊下
- 住戸の玄関
- 室内の作業場所
この順番で写真を残しておくと、工事前からあった傷や汚れと、工事中に確認すべき変化を区別しやすくなります。写真は「責任を探すため」だけではなく、外したあとに同じ場所を見直すための基準です。
養生は、貼ったあとも終わりではありません
人が歩き、材料を運べば、養生材のずれや破れが起こることがあります。入口や角のように接触しやすい場所は、貼った時点だけでなく工事中も状態を確認する必要があります。
一方で、養生を厚くすればよいとも限りません。避難経路、扉の開閉、段差、管理上のルールを妨げないことも必要です。材料と固定方法は、守る対象の仕上げや管理会社の指示に合わせます。
養生は損傷をゼロにする保証ではありません。だからこそ、対象、経路、工事前の状態、外した後の状態を一続きで確認します。
外すときまでが養生です
工事が終わっても、養生材を外すまでは搬出があります。工具、残った材料、清掃で集めたものを外へ運ぶため、撤去の順番が早すぎると、最後の移動だけ保護のない経路を通ることになります。
反対に、養生を残したままでは、その下の床や壁の状態を確認できません。搬出が終わった場所から外し、工事前の写真と見比べ、清掃後の状態を確認する。守るために付ける工程と、確認するために外す工程を一組で考えることが必要です。
共用部は住戸内だけの判断で撤去時期を決めず、管理会社の指定があればそれに合わせます。撤去した資材をどこへ仮置きし、どう搬出するかも経路に含めます。最後の一枚を外すまで、共用廊下やエレベーターを使う工事であることは変わりません。
着工前に見たい五つ
養生計画を見るときは、次の五つを確認してください。
- 残す床・建具・設備が図面や写真で分かるか
- 共用部と室内の搬入経路が一本につながっているか
- 管理規約や管理会社から指定された範囲が入っているか
- 工事前の状態を写真で残す場所が決まっているか
- 工事中の点検と、撤去後の確認を誰が行うか
これらは特別な仕上げを選ぶ話ではありません。完成した部分の品質を確かめる前に、残す部分と建物全体への影響を小さくする準備です。工事全体の順番は名古屋のリノベ期間と流れ、解体後に確認する内容は現場から:解体して初めて見えることへつながります。
管理規約と間取りから、養生範囲を整理します
管理規約、候補の間取り、予定している工事範囲をお送りください。室内で残す部分、共用部、搬入・搬出経路を分け、「確認済み・要確認」を付けた養生確認表として一緒に整理します。
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