職人より:夏の解体で、先に確かめること
解体は、どうやっても音が出ます。そして夏は、暑さの中で作業することになります。この記事では、夏の解体で法令が求めていることと、当社が前提にしていることを書きます。
まず、自分たちが倒れない段取りをする
順番として、いちばん先に決めるのは職人の体のほうです。工事中に人が倒れると、工程も近隣対応も全部止まるからです。
労働安全衛生規則には、暑い場所での作業についての定めがあります。
事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、当該作業に従事する作業従事者が熱中症の自覚症状を有する場合又は当該作業に従事する作業従事者に熱中症が生じた疑いがあることを当該作業に従事する他の作業従事者が発見した場合にその旨の報告をさせる体制を整備し、当該作業に従事する作業従事者に対し、当該体制を周知させなければならない。
つまり、「おかしいと思ったら言う」「見つけたら言う」を先に決めておけということです。同じ規則は、作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察または処置を受けさせることなど、症状の悪化を防ぐ手順をあらかじめ定めて周知することも求めています。
もう一つ、古くからある条文もあります。
事業者は、多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるために、塩及び飲料水を備えなければならない。
前者は「あらかじめ」体制を整備し周知することを求めています。後者は、多量の発汗を伴う作業場に塩と飲料水を備えることを求めています。
規則が「あらかじめ体制を整備して周知する」と書いているのは、倒れてからでは遅いからです。工事中に人が倒れれば、工程も近隣対応も全部止まります。自分たちのためだけの話ではない、と思っています。
届出と、ご近所への案内は別の話
工事の届出が要るかどうかと、音が出る日時をご近所へ案内することは、分けて考えます。届出の対象外でも解体の音は出るため、何がいつ起きるかを工事前に伝えておくと、受け取る側も予定を立てやすくなります。
マンションの場合は、管理組合や管理会社への届出が別に要ります。何ができて何に承認が要るかはマンション管理規約でできる工事・できない工事にまとめています。
「解体の届出」には、床面積の線がある
ここは誤解が多いので書いておきます。解体工事には届出が要る、と聞いたことがあると思います。根拠は建設リサイクル法で、対象になる工事の規模は政令で決まっています。
建築物に係る解体工事については、当該建築物(当該解体工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が八十平方メートルであるもの
つまり、当該解体工事に係る部分の床面積の合計が80平方メートルが線です。マンションの一室のリノベーションでも、解体する部分の床面積がこの線の内側か外側かで、届出の要否が変わります。ご自身の工事がどちらかは、解体する部分の床面積で確かめてください。
そして、届出の要否と、近隣にご迷惑をかけない段取りは別の話です。
解体して初めて分かることについては現場から:解体して初めて見えることに、見えなくなる部分の仕事については職人より:見えなくなる部分こそ、丁寧にに書いています。梅雨どきの条件は現場から:梅雨どきの塗装と木工事の条件にあります。
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