現場から:梅雨どきの塗装と木工事の条件
「雨だと工事は止まるんですか」。実際に確かめるのは雨だけではありません。国の標準仕様書では、塗装は気温・湿度・結露・降雨・強風、木工事は木材の含水率に条件を置いています。梅雨どきにどこを確かめるのか、順に見ていきます。
国の標準仕様書では、湿度85%以上は塗装しない
国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」は、塗装工事の施工管理について、こう定めています。
気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露等で塗料の乾燥に不適当な場合は、塗装を行わない。ただし、採暖、換気等を適切に行う場合は、この限りでない。
外部については、さらに「降雨のおそれのある場合又は強風時は、原則として、行わない」とあります。同じ仕様書の内装の吹付け・塗り仕上げでは、湿度80%以上または換気が十分でない場合は施工しない、と一段厳しい条件になっています。
これは公共工事の標準仕様書です。個別の工事では使う材料の仕様も確かめますが、「結露等で塗料の乾燥に不適当な場合」に塗装しないという考え方を読み取れます。
木は、乾いていないと使えない
もう一つ止まるのが木工事です。同じ仕様書は、木材の含水率に基準を置いています。
| 種別 | 下地材 | 造作材 |
|---|---|---|
| A種 | 15%以下 | 15%以下 |
| B種 | 20%以下 | 18%以下 |
※ 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」表12.2.1 木材の含水率より。同仕様書は「木材の含水率は、特記による。特記がなければ、表12.2.1 により、種別はA種とする」としています
仕様書が含水率に上限を置いているのは、乾いていない木を使わないためです。特記がなければ種別はA種、つまり下地材も造作材も15%以下が基準になります。
国の仕様書が「湿度が85%以上」という条件で塗装を行わないと定めているのは、その条件では塗料の乾燥に不適当だからです。天気の印象で決めず、使う材料と現場の条件を照らし合わせることが大切です。
止めると工期は延びる。それでも止める理由
引渡しの日を守るために条件を無視するのは、順序が逆だと考えています。
判断を早くできるのは、体制の理由もあります。当社は大工が社員として在籍していて、重層下請けの構造をとっていません。代表の柏は大工歴・施工管理歴20年以上で、いまも全現場の管理のトップとして施工を随時チェックしています。条件を見て工程を組み替える判断ができる人間が、社内にいるということです。
梅雨に強い工程の組み方
仕様書には、条件を満たさない場合でも進められる場合が書かれています。
ただし、採暖、換気等を適切に行う場合は、この限りでない。
つまり、湿度が高い日はいっさい何もできない、という話ではありません。条件を整えれば進められる工程はあります。
工期の組み方そのものは、名古屋のリノベ期間と流れにまとめています。解体して初めて分かることについては現場から:解体して初めて見えることをご覧ください。
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