スタッフ2026.04.15執筆:株式会社IROHA HOME

現場から:解体前の写真を残す理由

工事写真というと、完成後のきれいな部屋を思い浮かべるかもしれません。けれど、現場で先に必要になるのは、何も変えていない状態の写真です。

解体が始まると、壁紙の柄、床の傷、設備の位置、配線や配管を覆っていた仕上げは元に戻せません。だから解体前の写真は、思い出ではなく、工事中と工事後を比べるための基準として残します。

写真は「全景・位置関係・細部」の三段階で撮ります

細部だけを大きく撮っても、あとで見たときにどの部屋のどの場所か分からないことがあります。反対に、部屋全体だけでは、小さな傷や取り合いを確認できません。

同じ対象を、次の三段階でつなげます。

撮り方写すもの後で確認できること
全景部屋全体、廊下、搬入経路方角と全体の状態
位置関係壁一面、建具と床、設備まわり対象がどこにあるか
細部傷、継ぎ目、品番、接続部仕上げや部材の状態

三枚が連続していれば、細部の写真にも住所ができます。撮る順番を部屋の入口から時計回りにそろえると、枚数が増えても追いやすくなります。

「壊す場所」だけでなく「残す場所」を先に写します

解体範囲は図面で確認できますが、写真では工事後も残るものを意識します。

  • 交換しない床、建具、窓、玄関扉
  • 再利用する棚板、設備、金物
  • 工事範囲と既存部分の境目
  • 養生で隠れる床や壁
  • 資材と廃材が通る共用廊下やエレベーター

残す部分は、工事中には養生材や荷物で見えなくなることがあります。養生する前、養生した直後、撤去した後を同じ向きから撮ると、状態を比較しやすくなります。養生と搬入経路の考え方は現場から:養生は、仕上げる前の仕事ですで整理しています。

住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイヤルも、仕上げ前の施工状況は工事写真で確認できる場合があること、養生前の状態を写真に残し、撤去後に元の状態へ戻ったか確認することを案内しています。

隠れる部分は「見えた時」が撮影の期限です

壁や床を開けると、図面だけでは分からなかった下地、配管、配線が見えることがあります。そこで確認した内容も、ボードや仕上げ材を施工すれば再び見えなくなります。

解体前の写真だけで終わらせず、次の節目をセットにします。

  1. 解体前:既存の状態と残す部分
  2. 解体後:下地・配管・配線など見えた状態
  3. 施工中:塞ぐ前の工事内容
  4. 完成後:同じ位置の仕上がり

何を撮るかは工事内容によって変わります。写真だけで施工の良否を判断できるわけでもありません。図面、仕様、現場確認と組み合わせて初めて、写真が比較資料として働きます。解体後に見る項目は現場から:解体して初めて見えることも参考にしてください。

なお、石綿を含む建材の除去等には、作業記録として写真が求められる場面があります。厚生労働省の発注者向け案内は、施工業者が写真等で作業を記録できるよう配慮し、工事後に写真を含む作業記録の報告を求めるよう案内しています。これは石綿工事に関する記録であり、すべてのリノベーション写真に同じ法的要件があるという意味ではありません。石綿の確認は中古マンションリノベのアスベスト事前調査をご覧ください。

ファイル名に「場所」と「時点」を入れます

写真が多くなると、撮影したことより、あとで探せることが重要になります。専用の難しい仕組みがなくても、フォルダと名前をそろえるだけで確認しやすくなります。

例えば「解体前/解体後/施工中/完成」のフォルダを分け、ファイル名へ部屋名、向き、対象を入れます。「LDK_北壁_窓まわり」「廊下_玄関側_床」のように、初めて見る人でも場所を推測できる言葉にします。

撮影日だけに頼ると、別の日に追加撮影した写真が離れます。部屋名だけでは、同じ部屋の大量の写真を区別できません。場所、向き、対象、時点をそろえ、図面上の番号と対応させると、現場と事務の間でも同じ写真を指せます。

写真の中へ工事名や撮影箇所を書いたボードを入れる方法もあります。ただし、文字を写すこと自体が目的になると、肝心の対象が小さくなることがあります。ボードを使う場合も、文字と対象が一枚で読める距離の写真に加え、状態が分かる寄りの写真を残します。ボードを使わない場合は、撮影直後にファイル名や一覧へ場所を記録し、「あとでまとめて整理する」状態を作らないことが大切です。

個人名の入った郵便物、家族写真、鍵や防犯情報など、工事確認に不要なものは写り込まないようにします。必要な書類の文字を残す場合も、共有先と保管範囲を先に決めます。

撮り漏れを防ぐのは枚数ではなく順番です

写真を大量に撮っても、同じ場所ばかりでは比較できません。着工前に部屋一覧を作り、入口から時計回り、床から壁、天井、設備というように順番を決めます。撮影後は、その場で全景と細部がつながっているかを見直します。

特に大切なのは、次の四点です。

  • 残すものと撤去するものが写真で区別できるか
  • 工事範囲の境目が写っているか
  • 後で隠れる場所を、塞ぐ前に撮る時点が決まっているか
  • 完成後に同じ向きから比較できるか

工事全体の節目は名古屋のリノベ期間と流れと一緒に見ると整理しやすくなります。

図面と工事範囲から、撮影リストを整理します

現在の間取り図、予定する工事範囲、手元にある室内写真をお送りください。残す場所、解体後に確認する場所、完成後に比べる場所を分け、「解体前・解体後・施工中・完成」の撮影リストとして一緒に整理します。

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