スタッフ2026.08.31執筆:株式会社IROHA HOME

現場から:配管を開けた日に決めること

リノベーションの工事で床や壁を解体すると、その下に配管が見えます。ふだんは見えない部分です。ここで決めることになるのが、替えるか、残すか。仕上げてしまえば、次に開けるのは次の工事のときです。

この記事では、その判断の前提になる「費用は誰が負担するのか」を、国の標準管理規約から確かめます。

まず前提:専有部分の配管は、区分所有者の負担

マンションの配管には、共用部分のものと専有部分のものがあります。国土交通省のマンション標準管理規約のコメントには、こう書かれています。

配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。

つまり、専有部分に係る配管の取替え費用は、区分所有者が負担するというのが原則です。ただし後で見るとおり、条件を満たせば修繕積立金から拠出する形も示されています。「共用部の工事のときに一緒に替えてもらえる」と決めてかかる前に、そのマンションがその条件を満たしているかを確かめる必要があります。

どこまでが専有部でどこからが共用部かは、マンションごとの管理規約で決まります。工事の可否についてはマンション管理規約でできる工事・できない工事にまとめています。

I
現場担当
IROHA HOME 施工管理

標準管理規約のコメントが「各区分所有者が実費に応じて負担すべきもの」と書いているということは、替えるか残すかを決めるのはお客様だということです。私たちの仕事は、決めるための材料をそろえるところまでだと思っています。

「共用部と一緒にやると安くなる」は、条件付き

同じコメントには、続きがあります。

なお、共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。

同時にやれば安くなる場合がある、と国も書いています。ただし条件があって、同じコメントは、そのためにはあらかじめ長期修繕計画に専有部分の配管の取替えについて記載し、その費用を修繕積立金から拠出することを規約に規定する必要があり、先行して工事を行った区分所有者への補償の有無にも留意が必要だとしています。

つまり、一体的に工事をするには、長期修繕計画への記載と規約の規定が要るということです。そこまでの準備があるかどうかは、長期修繕計画と管理規約を見れば分かります。

長期修繕計画の見方は管理費・修繕積立金の相場と見方に書きました。買う前に長期修繕計画を見る理由は、ここにもあります

判断に要るのは、計画に書かれているかどうか

替えるか残すかを決めるとき、効いてくるのがそのマンションの長期修繕計画に専有部分の配管の取替えが書かれているかどうかです。書かれていれば、修繕積立金から拠出する道があります。書かれていなければ、その道はありません。

想定外が出たときの手順は現場から:解体して初めて見えることに書いています。

開ける前に、聞いておいてください

「うちのマンションの長期修繕計画に、専有部分の配管の取替えが書かれているか」。これは、購入前でも長期修繕計画を取り寄せれば確かめられます。工事の前に分かっていれば、開けたときに慌てずに済みます。ご相談いただければ、確認の仕方からご説明します。

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