スタッフ2026.08.14執筆:株式会社IROHA HOME

コーディネーターより:照明の色温度を部屋ごとに考える

照明の打合せで「リビングは電球色、洗面は昼白色」と部屋名だけで決めると、完成後に隣の空間との色が気になったり、素材の見え方が想像と違ったりすることがあります。

同じリビングでも、食事、読書、テレビ、在宅勤務では見たい物が違います。同じ洗面室でも、身支度と夜の入浴後ではほしい明るさが違います。

私たちは、部屋の名前ではなく、そこで何を見るか、いつ使うか、隣からどう見えるかを聞いて、光色を決めます。

色温度は、光の色を比べるための一つの軸です

日本照明工業会の照明用語では、色温度を光源の光色を数値で表したものと説明しています。数値が低い側は赤みのある光、高い側は青みのある光として表されます。

ただし、色温度だけで部屋の見え方が決まるわけではありません。器具の配光、明るさ、演色性、壁・床・家具の色、自然光、照らす面によって印象は変わります。

見る項目打合せで確認すること
過ごし方食事、仕事、読書、身支度、就寝前
見る物料理、顔、服、書類、画面、壁、アート
素材木、石、タイル、布、塗装、金属
時間朝、昼、夕方、夜、深夜
つながり廊下やLDKなど隣の空間からの見え方
操作点灯区分、調光、調色、センサー、スイッチ

リビングとダイニングは、一色にそろえなくてもよいです

一続きのLDKでも、食卓の料理を照らす光、ソファ周りのくつろぐ光、キッチンの作業面を見る光は役割が違います。

すべて同じ光色へそろえるとまとまりは出ます。一方、役割ごとに少し変える場合は、隣り合う光が同時に点いたときの差を確認します。ペンダントだけを見て決めず、ダウンライト、間接照明、キッチン手元灯と一緒に点灯した状態で比べます。

洗面は、鏡の顔と隣室の両方を見ます

洗面では顔色、服、髪を見るため、光色だけでなく演色性、顔への当たり方、影、まぶしさを確認します。天井からの一灯だけでは、顔に影が出ることもあります。

廊下や寝室とつながる洗面室では、夜に扉を開けたときの明るさの差も見ます。夜中に使う照明を別回路や調光にする、鏡前と天井を分けるなど、使う場面で点灯を分ける方法があります。

素材サンプルは、昼と夜で見ます

床、壁、木、タイル、塗装の色は、窓から入る自然光と照明で見え方が変わります。素材の小さなサンプルだけでは、面積が大きくなったときの明るさや反射までは分かりません。

色選びを朝・昼・夜で確認する考え方はコーディネーターより:色は朝・昼・夜で見え方が変わるでも紹介しました。照明打合せでは、候補の光源で床・壁・家具サンプルを照らし、昼光がある状態と夜の状態を比べます。

「明るい」と「白い」を分けます

光色が白っぽいことと、必要な場所が十分に明るいことは別です。光色を上げるだけで作業面の明るさを補おうとせず、器具の位置、配光、光束、壁や天井の反射を確認します。

反対に、あたたかい光色でも、手元灯や局所照明を組み合わせれば作業面を照らせる場合があります。部屋全体の色温度を一つに決めるより、見る場所ごとに必要な光を置きます。

調光・調色は、操作まで決めます

調光・調色できる器具は、朝と夜、仕事と食事などで切り替えられます。ただし、毎回複雑な操作が必要だと、いつも同じ設定になることがあります。

  • 壁スイッチで何を点灯するか
  • リモコンやアプリを誰が使うか
  • よく使う場面を登録できるか
  • 調光器と照明器具が適合するか
  • 停電・通信不良時にどう操作するか
  • 家族が迷わない表示になっているか

照明だけでなく、コンセントやスイッチまで含む全体はリノベのコンセント・照明計画で整理しています。

多灯分散は、点灯する組合せを先に作ります

日本照明工業会の住宅照明ガイドは、新築・リフォーム時の照明計画と、複数の照明を生活場面に応じて使う考え方を案内しています。

複数灯を置くときは、器具数を増やすことが目的ではありません。「食事」「くつろぐ」「仕事」「掃除」「夜間移動」など、実際に点灯する組合せを決めます。不要な器具やスイッチを増やさず、必要な面へ光を届けます。

点灯場面ごとに、必要な器具だけを図面上で色分けすると、スイッチの系統も整理しやすくなります。掃除のときだけ全体を明るくする組合せと、普段の夜に使う組合せを分け、同時点灯したときの光色も確認します。

現場では、家具の位置に立って確認します

図面が決まった後も、配線前や器具決定時に現場で確認します。ダイニングテーブルの中心、ソファの視線、テレビ面、ベッドの枕元、洗面鏡の位置へ立ち、器具位置とスイッチ操作を見ます。

家具がまだ決まっていない場合は、床へ寸法を出します。家具を置いてから電気を考える順番は設計より:コンセントは、家具を置いてから考えると同じです。

私たちが決めたいのは、「何色の照明が好きか」だけではありません。朝から夜まで、必要なときに必要な面が見え、隣の空間とつながったときにも違和感が少ない光の組合せです。

夜の過ごし方と素材を教えてください

夕食後にすること、在宅勤務の場所、読書やテレビ、夜中に通る場所、床・壁・家具の候補をお送りください。部屋名だけで色温度を固定せず、点灯場面、素材、隣室、操作を一枚に重ね、確認する照明サンプルを整理します。

無料で相談する
← コラム一覧へ戻る