現場から:24時間換気は、止めないでください
リノベーションを終えた住戸で、常時換気設備のスイッチを切ってよいのか迷うことがあります。結論からお伝えすると、日常的に使う前提で設けられた換気設備は、止めずに使うことをおすすめします。これは気分や習慣の話ではありません。建築基準法と建築基準法施行令が、居室の空気を入れ替える設備に技術的な基準を置いているからです。
法律は、建築材料と換気設備を一緒に見ています
建築基準法第二十八条の二は、建築材料から物質が飛散・発散することによる衛生上の支障を防ぐための条文です。第三号では、居室を有する建築物について、対象となる物質の区分に応じ、建築材料と換気設備が政令の技術的基準に適合することを求めています。
原文は、「居室を有する建築物にあつては、前二号に定めるもののほか、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。」です。
ここで大切なのは、材料だけを選べば終わりではなく、換気設備も同じ条文の中に置かれていることです。住まいの空気環境は、材料の基準と設備による換気を組み合わせて考える構成になっています。
施行令は居室に換気設備を設けることを示し、その技術的基準では、方式のひとつとして機械換気設備の有効換気量が計算式による必要有効換気量以上であることが定められています(別の方式や適用除外は別の定めがあります)。設備の設置と換気量の確保が、続けて規定されています。
住宅等の居室は、1時間に0.5回の換気が基準
建築基準法施行令第二十条の八は、機械換気設備の必要有効換気量を計算する式を示しています。その式で使う値(1時間あたりの換気回数)について、住宅等の居室は0.5、その他の居室は0.3と定めています。
原文では、「にあつては〇・五、その他の居室にあつては〇・三」とされています。数字だけが独立しているのではなく、必要な有効換気量を求める計算の一部です。
換気設備のスイッチを切れば、その設備による機械換気は動きません。つまり、設備を運転することで確保するはずの換気量を、その設備から得られない状態になります。居室に換気設備を設け、必要有効換気量以上とする法令の組み立てを見れば、常時使う設備を自己判断で止め続けないほうがよい、という考え方につながります。
法令は、居室の換気設備について、設置することだけでなく必要有効換気量まで定めています。だから私たちは、換気設備を飾りではなく、住まいの空気を入れ替えるために運転する設備として考えます。止める前に、まず設備の役割を確かめてほしいと思います。
止める判断より、設備の役割を確かめる
ここで述べているのは、居住者がスイッチを切った瞬間に法律違反になる、という話ではありません。引用した法令は建築物と換気設備に求める技術的基準です。その基準が機械換気による必要有効換気量を前提にしている以上、設置された設備を長く止めることは、その設備が担う空気の入れ替えも止めることになります。
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換気設備の使い方が気になった方へ
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