コラム2026.08.26執筆:株式会社IROHA HOME

リノベ費用の支払い時期|契約金・中間金・残金の確認

リノベーション費用は、契約時、着工時、工事途中、完成時などに分けて支払う契約があります。ただし、「契約金30%、中間金40%、残金30%」のような割合だけを見ても、安全性や資金準備は判断できません。

大切なのは、各支払いについて、いつ、何が完了したら、いくらを、どの書類を確認して支払うかを契約前に決めることです。住宅ローン・リフォームローンの実行日や補助金の入金日は、工事契約の支払日と一致するとは限りません。

この記事では、契約金・着工金・中間金・残金を、工程、請求、追加変更、検査、資金調達と一枚につなぐ方法を整理します。

結論:日付と条件をセットにした資金移動表を作ります

支払区分契約前に決めること支払前に確認すること
契約金金額、期日、契約成立条件、返還・精算条件契約書、約款、見積、図面、仕様、工程
着工金着工の定義、管理組合承認、材料発注との関係工事承認、着工条件、請求書
中間金対象工程、出来高確認、請求時期現場進捗、材料、検査記録、変更合意
残金完成・検査・引渡しの定義、手直しの扱い完成確認、手直し一覧、引渡し書類、最終金額
追加変更見積、承認、請求へ反映する回変更合意書、更新図面、増減額、工期

「○月末に払う」だけでなく、「管理組合承認を受け、着工準備が整った後」「契約図面どおりに対象工程が完了し、双方が確認した後」のように、条件も書きます。

支払い条件は、契約書へ明記します

国土交通省の建設業法第19条に関する資料は、前払金・出来形部分に対する支払いの時期と方法を、工事請負契約書に記載する事項として示しています。

契約書では次を確認します。

  • 各回の名称、金額、消費税、支払期日
  • 日付で払うか、特定工程の完了で払うか
  • 請求書の発行日と支払期限
  • 振込先、振込手数料、領収書
  • 遅延した場合の通知・工期・費用の扱い
  • 工事が中止・解除になった場合の精算
  • 追加・減額が次回支払いへどう反映されるか

住宅リフォーム推進協議会の標準注文書・請書にも、契約金、着工金、中間金、完金の金額と支払方法を記入する欄があります。名称だけを写さず、自分の工事に合う期日と条件を記入します。

契約書全体の確認順はリノベーション工事請負契約書の見方で整理しています。

契約金は、契約書一式が確定してから払います

契約金の請求前に、少なくとも契約書、約款、見積内訳、図面、仕様書、工程表が同じ内容になっているかを確認します。

設備品番、仕上げ、工事範囲、管理組合承認などが未確定なら、契約金に何が含まれ、未確定分をいつどう決めるかを書面にします。「契約金を払えば枠を確保できる」という説明だけで急がず、契約成立、発注、キャンセル、返還・精算条件を読みます。

振込先名義が契約相手と異なる、個人名義口座を指定される、契約書より先に高額送金を求められるなど、不明点があれば支払前に確認します。

着工金は、「着工」の意味をそろえます

着工とは、解体開始、現場養生、資材発注、職人手配など、契約によって意味が違うことがあります。

マンションリノベでは、管理組合の承認前に住戸内工事を始められません。材料を先行発注する場合は、発注品、金額、納期、保管場所、キャンセル条件、事業者に問題が起きた場合の所有・引渡しを確認します。

支払条件を「着工時」とだけ書かず、承認通知、工程表、現場の開始日、請求書をどう確認するか決めます。

中間金は、カレンダーだけでなく出来高を確認します

中間金を工期の半分の日に設定しても、実際の工事進捗が半分とは限りません。解体、下地、設備配管、電気、造作、仕上げなど、支払条件に対応する工程を決めます。

支払前の確認資料は次のとおりです。

  1. 最新工程表
  2. 現場写真・立会い記録
  3. 対象工程の完了確認
  4. 現場搬入済み材料と未搬入品
  5. 検査・是正の記録
  6. 追加変更の合意書と増減額
  7. 今後の工程と次回支払い

国土交通省の個人発注者向け参考資料は、支払いの時期や方法は資金計画を確認し事業者と協議して決め、前払金を受ける場合は、できるだけ工事の出来高に応じる考え方を示しています。

出来高の判断方法を施主だけで決めにくい工事では、設計監理者や第三者専門家の確認を契約へ含める方法も検討します。

高額な全額前払いは避けます

国民生活センターの2024年注意喚起は、高額な前金を支払った後に工事が進まない相談事例を示し、高額な費用の全額前払いを避け、完成後の支払いを主とした契約にするよう助言しています。

同資料は、契約前に複数社の見積を取り、費用だけでなく工期、施工体制、保証内容を検討し、工事が滞った場合に備え遅延補償の定めを確認することも案内しています。

前払いが必要な場合でも、何のための金額か、工事進捗と合っているか、返還・精算条件があるかを確認します。不安があるときは、送金前に消費生活センター、住まいるダイヤル、弁護士等の独立した相談先へ相談してください。

残金は、完成確認と引渡し書類をつなげます

「工事が終わった」と「契約内容が完成し、引渡しできる」は同じとは限りません。残金の支払い条件では、次を分けます。

  • 契約図面・仕様との照合
  • 設備・建具・照明等の動作確認
  • 未施工、傷、不具合、手直しの一覧
  • 手直し期限と再確認方法
  • 鍵、保証書、取扱説明書、完成図面、検査記録の受領
  • 最終の契約金額と既支払額の照合
  • 引渡し日、入居可能日、保証開始日

軽微な手直しが残る場合の残金支払いをどう扱うかは、契約前に決めます。施主が一方的に支払いを止めてよいか、法的結論をこの記事で判断するものではありません。契約条項を確認し、合意内容を書面へ残します。

引渡し後の保証・点検は引渡し後の保証と点検も参考にしてください。

追加変更は、請求されてから確認しません

工事中に追加・変更が必要になったら、施工前に次を確認します。

  • 変更前と変更後の工事内容
  • 追加・減額と税込金額
  • 工期への影響
  • 更新する図面・仕様
  • 支払回と請求時期
  • 補助金・ローン・管理組合申請への影響

口頭合意のまま進め、最終請求でまとめて知る状態を避けます。変更合意書の累計と契約総額を更新し、各支払い後の残額が分かる表にします。

未確定項目の分け方はリノベの追加費用はなぜ出る?で整理しています。

ローン実行日と工事支払日を別に並べます

住宅ローン、リフォームローン、つなぎ資金などは、金融機関・商品・担保・工事契約によって実行条件と時期が異なります。融資承認と入金は同じではありません。

契約前に金融機関へ次を確認します。

  • いつ、誰の口座へ入金されるか
  • 一括実行か分割実行か
  • 実行前に必要な契約書、請求書、写真、検査
  • 自己資金を先に支払う必要があるか
  • 物件決済と工事代金の順序
  • 工期延期や増額時の手続き

自己資金、融資、親からの援助等の入金日と、施工会社への支払日を同じ表へ入れます。中古購入とリノベの総資金は中古+リノベの総額はいくらも参考になります。

補助金は、先に入る前提にしません

補助制度は、交付申請、契約・着工の可否、事業者登録、完了報告、審査、入金の順番が制度ごとに違います。工事完了後に入金される制度では、いったん工事代金を支払う資金が必要です。

「補助金分を差し引いて払える」と思い込まず、施工会社への支払義務と、補助事業からの入金を別にします。不採択、予算上限、書類不備、工期遅延などで入金されない場合の資金も確認します。

制度は変更されるため、契約時に公式要領、申請者、対象製品・工事、着工条件、期限、入金先を再確認します。

資金移動表の作り方

  1. 契約総額と消費税を記載する
  2. 契約金・着工金・中間金・残金を行に分ける
  3. 各回の「予定日」と「支払条件」を書く
  4. 確認書類、請求書、振込先を付ける
  5. 自己資金・融資・援助・補助金の入金日を別列にする
  6. 追加変更の累計と変更後契約額を更新する
  7. 支払済み、残額、次回必要額を毎回照合する
  8. 完成検査、手直し、引渡し、保証開始を並べる

表の合計は、契約総額と必ず照合します。追加・減額後は、旧金額を消すのではなく、変更履歴と最新版を分けて保管します。

よくある質問

Q. 契約金・中間金・残金の一般的な割合はありますか。

工事規模、期間、材料発注、施工体制で異なります。割合だけを採用せず、工事進捗、確認書類、完成後に残る金額、資金入金日を事業者と協議し契約へ記載します。

Q. 工事前に全額を払うよう言われました。

高額な全額前払いは慎重に判断してください。契約、工期、施工体制、前払いの目的、返還・精算、遅延時の条項を確認し、送金前に独立した相談窓口へ相談する選択があります。

Q. 中間金は工期の半分の日に払えばよいですか。

日数と出来高は一致しないことがあります。契約で定めた工程の完了、検査、材料、変更合意を確認し、請求条件を満たしているか照合します。

Q. 補助金が入るまで残金を待ってもらえますか。

工事契約の支払条件によります。補助金の入金時期とは別なので、契約前に施工会社と金融機関へ確認し、必要なら支払条件を書面で合意します。

Q. 手直しが残っていても残金を払う必要がありますか。

個別契約の条項、完成・引渡しの定義、手直しの程度で異なります。検査記録と手直し一覧を作り、期限・再確認・支払いの扱いを双方で書面確認します。法的判断が必要なら専門家へ相談してください。

契約・工程・請求・入金を一枚にします

契約書、見積、工程表、ローンの実行条件、補助金資料、現在の自己資金予定をお送りください。契約金・着工金・中間金・残金ごとに、支払日、条件、確認書類、入金元、追加変更、支払後残額を並べた資金移動表として整理します。

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