事務より:中古住宅には、建物の調査の仕組みがある
中古住宅を検討するとき、建物の状態について、どんな情報が説明されるのかを知っておきたいところです。宅地建物取引業法は、既存の建物について、建物状況調査の実施の有無と、実施している場合の結果の概要を説明事項に挙げています。今回は、調査という言葉だけで判断せず、説明の中で何を確かめるかを考えます。
説明する義務を負うのは宅建業者です
宅建業法の第三十五条は、契約が成立するまでの間に、宅建業者が宅地建物取引士に所定の事項を記載した書面を交付させ、説明させることを定めています。ここで規定されているのは宅建業者側の説明義務です。購入する方自身に調査の実施を義務付ける規定として紹介するものではありません。
既存の建物についての説明事項には「建物状況調査(実施後国土交通省令で定める期間を経過していないものに限る。)を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要」とあります。調査が行われているかという事実と、行われている場合の結果を確かめる仕組みです。
この記述を、これから調査を実施できるかどうかの説明、と置き換えると意味が変わってしまいます。条文の表現は、実施しているかどうかです。説明を受けるときにも、今ある調査の情報なのか、これから調べたいという相談なのかを分けて聞くことを提案します。
調査の対象と、説明される情報を読む
同法で定義される建物状況調査は、建物の構造耐力上主要な部分や、雨水の浸入を防止する部分として国土交通省令で定めるものの状況を調べるものです。家の状態について何でも分かる調査、と意味を広げず、どの部分についての調査なのかを確かめたいところです。
また、重要事項の説明に挙がる調査には、実施後、国土交通省令で定める期間を経過していないものという条件があります。昔に調査をしたという話だけで、今回の説明対象と同じだと決めないことが大切です。調査に関する説明を受けたら、その実施時期も含め、どの資料に基づく話かを確認することを提案します。
条文は、調査を実施している場合に説明するものを、結果の概要としています。概要を聞いたうえで詳しく知りたい点があれば、その点を質問として残しましょう。調査の実施が分かったことと、結果の内容を理解したことを分けると、説明を受けた後に何を確認したいのかが整理できます。
制度の記述から大切だと考えるのは、調査の有無と、その結果を分けて確かめることです。調査済みという言葉だけで判断を終えず、どの部分についてどんな説明がされたのかを整理したいと思います。これから調査を相談するかどうかも、説明で分かったことを踏まえて考えるのが、この記事からの提案です。
調査の話と、保存されている書類の話
既存の建物については、設計図書や点検記録など、建築や維持保全の状況に関する所定の書類の保存状況も説明事項に含まれます。調査の実施状況と、保存されている書類の状況は、法令でも別の事項として記載されています。書類があるという説明を聞いたときは、何の書類の話かを確認することを提案します。
説明を受けた後は、調査について分かったこと、書類について分かったこと、まだ聞きたいことを分けてみてください。これは購入する方への追加の義務ではなく、説明事項の区分を手掛かりにした整理の方法です。調査を相談したい場合も、どこが気になっているのかを伝えるところから、自分の判断に必要な情報を確かめていきましょう。
購入の流れははじめての中古マンション購入、住宅性能の表示を扱う記事は住宅の性能には、表示の決まりがあるです。本記事は建物状況調査について説明される事項に話題を絞っています。
建物の状態について、確かめたいことがある方へ
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