コーディネーターより:素材選びの楽しさ
床材、壁紙、タイル、建具、金物。選ぶものは多いのに、選び方を教わる機会はほとんどありません。コーディネーターとして立ち会ってきた経験から、迷わないための順番をお伝えします。
選ぶ順番を間違えると、必ず迷子になる
いちばん多い失敗は、気に入った壁紙から決めてしまうことです。壁紙は面積が広く、種類も一番多い。ここから入ると、あとから床や建具を合わせにいくことになり、選択肢がどんどん狭くなります。
おすすめの順番はこうです。①床 ②建具と造作の木 ③壁 ④水回りの面材 ⑤金物と照明。床がいちばん面積が大きく、一度貼ると変えにくい。だから床を先に決めて、そこに木の色を合わせ、最後に壁で調整します。壁紙は種類が多いぶん、最後でも必ず見つかります。
「サンプルは必ず、実際に貼るお部屋の光の下で見ていただきます。事務所の照明とご自宅の窓から入る光では、同じ材料でも別物に見えるんです。“暮らしてからのギャップ”は、ここでほとんど防げます。」
主役を一つだけ決める
素敵な素材を見ると全部使いたくなります。でも、全部を主役にすると空間はまとまりません。主役を一つ決めて、残りは引き算。これだけで見違えます。
主役をどこにするか迷ったら、いちばん長く過ごす場所を基準にしてください。在宅の仕事が多い方なら書斎まわり、家族が集まるならリビングの壁面。逆に、廊下や洗面に主役を置くと、毎日は目に入らないのに予算だけ持っていかれます。
「かわいい」と「暮らせる」は別の軸で見る
選ぶときは、次の三つを別々に見てください。
見た目/手入れ(拭けるか、傷が目立つか、補修が効くか)/年数(10年後にどう見えるか)。無垢材は傷がつきますが、傷が味になって10年後のほうが良く見えます。反対に、印刷の柄物は最初がいちばんきれいで、あとは落ちていきます。どちらが良い悪いではなく、ご自身がどちらの経年変化を好むかです。
お子さまやペットがいるご家庭では、ここに滑りとにおいが加わります。ペットと暮らす場合の床の選び方は、規約の確認が先になることもあるので、別のコラムでも触れています。
サンプルは持ち帰ってください
壁紙や床材の実物サンプルは、事務所に多数そろえています。お渡しできますので、ご自宅で朝と夜の光の下に置いて、数日過ごしてから決めていただくのがいちばん失敗しません。キッチンや浴室などの設備は、メーカーのショールームへ担当が同行します。ショールームは選択肢が多すぎて疲れる場所なので、事前に方向性を決めてから行くと、半分の時間で終わります。
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